石田波郷をしのぶ「はこべら」俳句大会、今年度の受賞作が決定しました。
3月12日(日)に行われた授賞式では、石田波郷記念館賞授与のほか各選者の先生方の特選・入選の賞状授与が行われ、また、句の講評もいただきました。
○はこべら賞 (波郷をしのぶ句の中で最高得点を獲得した句)
吸呑みの水の甘さよ惜命忌 岩手県 井上宮子
【講評】
*病いと闘いながら生をまっとうした石田波郷。その生涯に思いを馳せながら作者自身が生かされていることへの感謝を詠っている。(「椋」主宰 石田郷子)
*病床で起き上がれずに飲む吸呑の水。それを甘いと感じるのは癒えた証でもあり、生きたいという強い意志とも思える。(「馬醉木」主宰 德田千鶴子)
○石田波郷記念館賞 (四季雑詠の中で最高得点を獲得した句)
舟形の漁師の墓や曼珠沙華 江東区 観音堂松雄
【講評】
*舟の形をした漁師の墓の傍に曼珠沙華が咲いている。その向こうには海原が輝いている。(「百鳥」主宰 大串章)