砂町文化センターでは、波郷の命日である11月21日にあわせて毎年企画展を開催しています。
今年は、昭和21年に波郷が終戦後の東京、城東区北砂町(現・江東区北砂)に居を構え、句集『惜命』を刊行するまでの約5年間にスポットをあてます。
波郷は北砂町に移住して間もなく、当時不治の病とされた結核が再発し、清瀬の国立東京療養所に入院します。
波郷にとって、北砂町の自宅と清瀬の療養所との両方が、句作の場となっていきました。
病と闘い、共存しながらの句作は、波郷独自の俳句観や句風を生み出し、高い評価を受けました。
展示では、それぞれの句作の場に焦点をあてるとともに、波郷の代表作で、療養俳句の集大成とされる句集『惜命』を取り上げます。