昭和の俳壇をリードした石田波郷(いしだはきょう)は、昭和21年から12年間、城東区北砂町(現・江東区北砂)に暮らしました。波郷が「第二の故郷」と呼び、愛した砂町の地で俳句大会を開催し、俳句を募集しています。
年 | 回 | はこべら賞 | 石田波郷記念館賞 |
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2001 | 第1回 | 母の待つ病院までのコスモスよ 小浜 洋子 | |
2002 | 第2回 | 図書館に波郷全集冬の菊 植木 洋子 | |
2003 | 第3回 | 枇杷の花母を叱るに涙して 寺戸 英子 | |
2004 | 第4回 | 春風や髪をはらりと波郷立ち 𠮷田 英治 | 綿虫や病舎の端の非常口 猶原 茂 |
2005 | 第5回 | 綿虫のもう飛ぶころか深大寺 下山 宏子 | 天水を使つて洗ふ島の墓 曽根 新五郎 |
2006 | 第6回 | 波郷忌や革のケースの二眼レフ 海老名 英樹 | 噎せながら百寿の母と麦こがし 佐藤 茂三郎 |
2007 | 第7回 | 惜命の文字切切と霜夜なる 矢部 渉 | 朝顔の紺に定まる思ひかな 高見 四郎 |
2008 | 第8回 | 惜命忌折り鶴へ息満たしけり 曽根 新五郎 | 百寿なる看板娘一の酉 観音堂 松雄 |
2009 | 第9回 | 惜命忌句友句敵減りにけり 曽根 新五郎 | またひとつ母の朝顔咲きにけり 小浜 洋子 |
2010 | 第10回 | 惜命の色を尽して冬もみぢ 入谷 一舟 | 木の実独楽錻刀の上で音散らし 石川 スミヱ |
2011 | 第11回 | 波郷句碑麥丘人句碑秋深む 大原 芳村 | 菊師来て安宅の関に水を差す 杉野 諒一 |
2012 | 第12回 | 石鎚の山は父の背波郷の忌 杉野 諒一 | 土石流襲ひし畑の茶の咲けり 坂井 恵美子 |
2013 | 第13回 | 波郷忌や麥丘人に句集「弟子」 桑原 みわ子 | 父がせしごとく迎火父に焚く 観音堂 松雄 |
2014 | 第14回 | 波郷忌の暮れゆく波郷墓前かな なかで みちこ | 綿虫や火種のごとき師の一語 近藤 輝 |
2015 | 第15回 | 読切の「惜命」に襟正しけり 古賀 勇理央 | 朝月の弦のゆるびに紫木蓮 観音堂 松雄 |
2016 | 第16回 | 吸呑みの水の甘さよ惜命忌 井上 宮子 | 舟形の漁師の墓や曼珠沙華 観音堂 松雄 |
2017 | 第17回 | 白粥の吹き窪ひかる惜命忌 星野 榮子 | 流し雛もとより櫓櫂なかりけり 堀内 清瀬 |
2018 | 第18回 | 故郷とは痛みに似たり波郷の忌 藤田 康子 | 取消 |
2019 | 第19回 | 「悲母鈔」のその二十二句冬ともし 松田 美奈 | 曼珠沙華東西南北皆浄土 今関 十三里 |
2020 | 第20回 | 波郷忌や胸のなかにも風の音 小松 丈夫 | 色鳥やここにも水の湧く処 重山 陽子 |
2021 | 第21回 | 清冽な波郷のことば泉湧く 石田 雄進 | 一本の紙縒が火種大どんど 今井 文雄 |
2022 | 第22回 | 蜆吐く砂粒ほどの嘘ひとつ 物江 里人 | 祭馬切り火打たれて発ちにけり 古賀 勇理央 |