着物の美しさや和楽器の心地よい音色、細部まで美を追求した所作など、日本文化の魅力が詰まった日本舞踊。
日本舞踊の楽しみ方について、一見ハードルが高そうな印象をお持ちの方が多いと思います。この公演では、そんな印象を打破すべく、その楽しみ方、面白さを三味線音楽の生演奏にのせてわかりやすく三部構成でお伝えします。
①三味線ほか和楽器の解説・実演
②化粧支度の様子
③日本舞踊
③では歌舞伎でも上演される本格的な舞踊演目「舌出し三番叟」をお楽しみいただきます。初めてご覧になる方も、和の舞台がお好みの方も一緒に日本舞踊の舞台を〝深掘り〟してみませんか?
【演目について(中村梅さんより)】
「三番叟」は五穀豊穣への祈りをあらわすといわれる伝統芸能で、能楽では狂言役者が演じます。歌舞伎や人形浄瑠璃にも取り入れられ、様々な形態で受け継がれてきています。コロナ禍で不安定な世の中となりましたが、師走の時季に来る年への希望も込めて、三番叟を踊ります。
「三番叟」は昔から伝統的に踊られてきた演目であり、歌舞伎や日本舞踊が庶民のエンタメとして親しまれてきたことから、様々なアレンジが施されてきました。今回上演する「三番叟」はそのアレンジが”舌出し”!そう、皆さんのご想像通り舌を出して三番叟を踊っていくのです。
日本舞踊に対して「奥ゆかしくしなやかなイメージ」をお持ちの方は多くいらっしゃると思いますが、なんと今回は舌を出す演出!ということで、どのような踊りなのか、ぜひ劇場でお楽しみいただき、日本舞踊の様々な表現方法をご覧いただきたいと思っております。
【出演者からのメッセージ(中村梅さんより)】
日本舞踊は”和の総合芸術”なのです。三味線音楽はもちろんのこと、その音楽に乗せて語られる歌詞、大道具の華やかさ、踊り手の所作の美しさとストーリーに基づいてつけられた振付、衣裳やかつらの繊細で豪華な美しさ。それらをすべて合わせて堪能することが日本舞踊の本当の楽しさなのです。その楽しさを少しでも多くの皆様に知っていただきたいと思い、今回は日本舞踊だけでなく三味線を含めた和楽器の解説、お化粧の支度の様子や衣裳の解説を皆様にお伝えする予定です。
お舞台を観る方は大体の方が出演者の顔を見ていることが多いようですが、それではもったいない!和の舞台ではお顔以外にも注目すべきところがたくさんあります。その注目ポイントをお伝えし、今回だけでなくお客様が今後、和の舞台を楽しむ時に今までよりも10倍も100倍も楽しんでいただけるよう、解説してまいります。