【奇想のカーニバル】
フランセは20世紀の作曲家ながら新古典主義的作風を貫いたが、
誰が聴いてもフランセの音楽とわかるウィットとエスプリがきいたオリジナリティを有しており、
まさに「奇想」という言葉が最適な作曲家である。
対してファーニホウは、「新しい複雑性」の旗手として奇怪なまでの複雑な楽譜を書くことで知られる。
翼をつけたイカロスが飛びきれずに墜落するギリシャ神話を題材とした、これまた奇想に満ちた音楽である。
公募作品はスウェーデンのウェドルンド氏による、ショパンのノクターンを下敷きとした音楽に決定した。
ショパンの亡霊による夜想曲といった趣で、まさに奇想の極み、本企画テーマにうってつけの作品である。
《シン・動物の謝肉祭》は、作曲メンバーが新編曲することに加え、「細胞」「恐竜」「鬼」を新たに作曲して組み込んだもの。元祖「奇想のカーニバル」と言うべきサン=サーンスのそれに、更なる奇想を上書きする。
あらゆる方向から奇想が繰り広げられつつ、細胞、動物から亡霊まで、生命の多様性への讃歌を歌い上げる一夜。