内容
今回のワークショップ THE TALKING ROOMとは
これは高泉が劇団結成時代から創作活動の中で生みだしてきた独自のメソッドを使っての、本来は俳優の為のワークショップです。新国立劇場演劇研修所で、講師として俳優を志す生徒達に教えているメソッドでもあり、舞台俳優達のトレーニングのベースとしてのメソッドでもあります。少年、少女から老人まで、年齢、性別を超えてあらゆる人物を演じる役者ということで演劇界から注目され、海外でも高く評価された、その自由自在な軽やかな表現方法を働く女性達にと、大手化粧品会社が企画したワークショップで講師に招かれたことをきっかけに、歯科医師会のセミナーにも招かれ、数年前から、表現の場が舞台ではなく、仕事場、家庭でコミュニケーションする人達のワークショップを始めました。医師、看護師、学校の先生、アナウンサー、ミュージシャン、主婦、OL、サラリーマン、編集者、料理人、自営業、野菜生産者、退職した方々、近年はシンクロのオリンピック選手と、様々なジャンルの方々が参加しています。
高泉淳子さんからのメッセージ
最初に3分間ほどのスピーチを原稿に書いてみることからはじめます。昔失敗した結婚スピーチ、これから迎える退職の辞、家族に話しておきたいこと、自分が作ったキャベツがどんなに美味しいか、等……、親へ、子供へ、妻へ、恋人へ、友へ、自分へ、会ったことのない誰かへ……。スピーチを考えます。次に、自分の言葉ではない言葉を目で読んで、声に出して言ってみる。それは小説の中の登場人物の言葉だったり、大統領の演説だったり、名もない人が作った歌だったり。言葉が違うと、自分の心の中も変化することを体感していく。その中で他人とは違う、自分だけの味わいを見つけ出していき、「自分」という人物を仕立て直していきます。自分の味わいのある声と色合いで、自分だけの自分流のスピーチを仕上げていことが、このトーキングルームの目標です。その「スピーチ」を通して、自分の中に潜んでいた、思ってもみなかった「自分」に出会えたら、面白いですね。