松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶など江戸時代を代表する俳人も俳画を描きました。近代では、正岡子規と「ホトトギス」俳人たちが俳画に親しんでいます。現代では漫画など多彩なジャンルの作家により、新たな作品が生み出されています。
簡潔な絵画表現から俳味俳趣を味わう「俳画」を通して、見て楽しめる俳句の世界をご覧ください。 松尾芭蕉・与謝蕪村・小林一茶など江戸時代の俳諧から、正岡子規による俳句の近代化や焦土の江東を詠んだ石田波郷の戦後俳句まで、和歌から現代俳句に至る歴史を紹介します。こどもの俳句、英語俳句、ネット句会、AI俳句などをあわせ、現在の俳句のかたちを紹介します。
また、現代のアーティストによる芭蕉や「おくのほそ道」をテーマとしたイラスト、絵画、書などを展示します。
江東区芭蕉記念館が主催する時雨忌全国俳句大会は、令和3年で40回の節目を迎えます。これを記念して、選者や講師として関わった金子兜太(1919-2018)や有馬朗人(1930-2020)など約40名の俳人を、館蔵短冊や直筆の色紙などで紹介し、大会の軌跡を振り返ります。
「時雨」は芭蕉が好んだ季語で、芭蕉の命日が10月12日の時雨の季節であったことから、宝暦13年(1763)に義仲寺で営まれた追善法要「時雨会」が行われたことを機に、「時雨忌」の名が定着していきました。こうした「時雨忌」の由来となった芭蕉と「時雨」にまつわる作品なども紹介します。
江東区芭蕉記念館は昭和56年4月19日に開館し、本年で40周年を迎えます。当館の収蔵品のなかに、大正・昭和期の政治家・真鍋儀十寄贈資料コレクションがあります。真鍋儀十氏(1891~1982)は長崎県壱岐市出身で、政界で活躍すると共に、「ホトトギス」の俳人として高浜虚子に師事し、俳文学や郷土史に広く深い知識を持っていました。また、区内に「まなべ幼稚園」(住吉2丁目)を設立し、児童教育にも尽力してきました。
寄贈資料は戦後、私財を投じて集めた芭蕉・俳文学に関するもので約1,200点にのぼり、なかには芭蕉直筆の「句空宛芭蕉書簡」などの貴重資料もあります。本展では記念館開館までのあゆみと真鍋氏の経歴を収蔵資料と共に紹介します。
【会期が延長しました】会期:~2021年9月26日(日)
「季語」をテーマに松尾芭蕉や、高浜虚子ら近代俳人の作品を展示します。俳句に欠かせない要素である季語は、四季折々の自然の変化が豊かな日本ならではの文学的表現です。本展では、俳句における季語とは何かを考えながら、松尾芭蕉や近代俳句の作品にあらわれる彩り豊かな季語の世界を収蔵資料とパネルで鑑賞します。また、浮世絵や暦など日本の四季に関わる資料も紹介します。
【主な展示内容】2.季語と四季
3.さまざな季語
4.近現代の俳句と季語
※俳人コラムパネル(髙柳克弘、長谷川櫂、宮坂静生、稲畑廣太郎)